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エージェント指向コンピューティング

プロジェクトリーダー
安西 祐一郎(慶應義塾大学教授)
コアメンバー
大西 公平(慶應義塾大学教授)
山本 喜一(慶應義塾大学助教授)
天野 英晴(慶應義塾大学助教授)

プロジェクトの紹介

エージェントとは,状況に応じてそれ自体で局所的に判断や計算や通信や制御を実行する自律的ソフトウェア,自律的機器,自律的インタフェース等,あるいはそれらを構成する自律的部品のことです. エージェント指向コンピューティングの研究開発によって,分散処理システム,開放システム,モバイルシステムのためのソフトウェアエージェント,知的制御システムやロボットのような知能機械システムのためのフィジカルエージェント,ヒューマンインタフェースのような人間=機械システムのためのインタフェースエージェントなどのエージェント技術とそれらの応用について,大きな発展が見込まれます. 本研究は,多様な通信プロトコルに対応できる新しいソフトウェアエージェントシステム,移動するユーザに追従してエージェントがネットワーク上を自律的に移動するアプリケーションとそのためのインタフェースエージェント,高度なリアルタイム性を持つフィジカルエージェント,リアルタイム・フィジカルエージェントの実装に不可欠なリアルタイム通信インタフェース等の設計と実装を行い,現実に利用できるシステムを開発することを念頭に置いて,エージェント指向コンピューティングの未来開拓を行なってきました.

ソフトウェアエージェントとその応用

研究概要

多様な通信プロトコルへの対応,通信切断への対応,ラインタイムシステムのオンデマンド転送,その他種々の特徴をもつ,新しいソフトウェアエージェントシステムを開発しました. また,ネットワーク環境下におけるソフトウェアエージェント技術の応用として,最適エージェントの発見・処理依頼手法,画像処理を利用した移動ユーザの追跡機構などのシステム(ここにはインタフェースエージェントの開発が含まれる)を設計・実装しました.

デモ・展示の案内

特に,ソフトウェアエージェントの応用例として,医療現場を想定した移動ユーザへの情報提供システムをデモ・展示します. このシステムは,画像処理によりユーザの移動を追跡するととも,ユーザが必要な情報を持つソフトウェアエージェントをユーザが移動するたびにその近くの端末に移動させることにより,ユーザに端末や書類の携帯などの負荷をかけることなく,そのユーザに特化したサービスを継続的に提供するシステムで,医療分野にとどまらず広範な応用が期待できます.

フィジカルエージェントとその応用

研究概要

人間の環境認識や環境作用を代替する機能を持つ物理システムを,リアルタイム・フィジカルエージェントとして設計・実装しました. このエージェントは,すべての計算や通信をリアルタイムで管理しなくてはなりません. リアルタイム・フィジカルエージェント間で協調制御を実現するための方法論は確立されておらず,本サブテーマでは,その方法論を確立し,実証することを目的とし,リアルタイム通信インタフェースを開発してミリ秒オーダ以下の通信遅延を保証するとともに,それを組み込んだロバスト分散制御システムを実現しました. また,その応用として,バイラテラル機構を有するマニピュレータについて,触覚代替と動作代行を実現しました.

デモ・展示の案内

デモは,このシステムについて,双方向性をもつ触覚代替と力動作代行を行ないます. 具体的には,フリクションフリー機構をもつ2組のバイラテラルマニピュレータを,協調する2つのリアルタイム・フィジカルエージェントとする,物体の接触感取得と力動作システムをデモ・展示します.