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差分法

1次元の圧縮性流れを数値的に解くために 流れを離散化する. このときのセルの構造を図5.3に示す.

figure70

                     図5.3: セルの構造
ここで未知数は tex2html_wrap_inline1166 および 内部エネルギではなくエンタルピをhとし, これらのメッシュ点における値を決める. 密度, 圧力, エンタルピをセルの中心で定義し, tex2html_wrap_inline1170 と書き, 運動量はエッヂで定義して tex2html_wrap_inline1172 と表す. 時刻は, tex2html_wrap_inline1174 とし, n, n+1 の添字で表す. 連続の式, 運動量の保存式, エネルギの保存式に差分法を用いると次式を得る.

equation86

equation101

equation122

さらに 熱的状態方程式として次式が得られる.

equation150

次にこれらの式をコンピュータでどのように計算し, 解を求めているかを述べる.

まず, 式(5.6)において, 時刻 (n+1) の圧力勾配項を時刻 (n) の勾配項で置き換え, 陽的に tex2html_wrap_inline1182 を求める. この値 tex2html_wrap_inline1182 は, 求めるべき真の値 tex2html_wrap_inline1186 の予測値となる.

equation173

この値を用いて, エネルギ保存式(5.7)の左辺を計算することを考える. 式(5.7)には, 変数 tex2html_wrap_inline1188 の時刻 (n+1) における値が含まれている. そこで, 各変数の添字 (n+1) を (n+1,k)と置き換え, tex2html_wrap_inline1196 としてみる.

equation197

ここで, 式(5.10)において, tex2html_wrap_inline1198 を 求めるべき時刻 n+1 の真値に達する計算過程における 第 k 回目の反復であることを示し, tex2html_wrap_inline1204 を 第 k 回目の反復計算値から求められる エネルギ保存式の誤差を示しているとみることができる. また, tex2html_wrap_inline1208 は, tex2html_wrap_inline1188 の関数と考えることができる.

equation233

圧力 p の値を調整することによって 誤差 tex2html_wrap_inline1208 を小さくすることを考える. 誤差 tex2html_wrap_inline1208 の 圧力 p による全微分は次式で表される.

equation235

この tex2html_wrap_inline1208 を零にするための圧力 p の変化分 tex2html_wrap_inline1224 を考え, Newton-Raphsonの解法により次式が導かれる.

equation254

このようにして得られた tex2html_wrap_inline1226 を用いて, 式(5.6),(5.5),(5.8)より順次 tex2html_wrap_inline1228 が計算される.

equation266

次に 式(5.10),(5.12),(5.13)より 第 (k+1) 回目の tex2html_wrap_inline1232 が得られる. この計算を繰り返し, tex2html_wrap_inline1208 の値が十分小さくなったところで 収束したものとみなす. その時の値を時刻 (n+1) における値とし, 時刻 (n+2) における計算をはじめる. この全体の流れを 図5.4に示しておく.

figure313

                     図5.4: 計算の流れ


Mitsubishi Research Institute,Inc.
Mon Feb 24 13:38:59 JST 1997