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並列GAによる分類学習システム

GAによる学習システムはGA研究の初期から研究されてきた. その中でも分類規則を学習 するシステム (LCS: Learning Classifier System) には数多くの研究が報告され, 最 近では並列計算機上での並列GAシステムとして実装されているものもある.

まず, 簡単に LCS 研究の歴史をみてみる. 初期の代表的な LCS として, ミシガン・ア プローチの CS-1 とピッツ・アプローチの LS-1 がある. Holland, Reitman [16] の CS-1 は個体が一つのルール(分類規則)を表し, 集団全体としてル ールセットを形成する. 個体の適応度は, 事例のヒット率と他のルールとの競合からル ールの善し悪しを評価するバケツリレーアルゴリズム (bucket brigade algorithm) により計算する. 一方, Smith [36] の LS-1 は, ルールセッ トを一つの個体と考え, ルールセットの集合が一つの集団を形成すると考える. ルール セットを個体とすることにより, 各ルールに対して評価する必要がなくなった.

その後, ミシガン・アプローチは, Wilson の二次元の森の中を分類器が食糧を求めて 俳徊する ANIMAT [40] 複雑なブール関数を学習する BOOLE , Bonelli, Parodi の BOOLE を発展させた NEWBOOLE [1] 等に受け継がれていった. ピッツ・アプローチも Schaffer [32] や Greene [14] な どにその発展形をみることができる.

LCS の並列化として, まず Robertson [31] が Connection Machine に 分類システム *CFS を実装した. 最近では Kitano らが64個の Transputer に 256K の 連想メモリを搭載した IXM2 連想プロセッサ上の GA-1 システムを開発した. 連想メモ リにルールを格納し, 並列検索することによって最高 256K の並列度が得られる. GA-1 はミシガン, ピッツの両方のあるいは両者を融合したモデルを実装可能であり, 並列GAによる学習や人工生命研究のプラットフォームを目指している.



Mitsubishi Research Institute,Inc.
Mon Feb 24 19:32:36 JST 1997