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クリティカルパス長

ptex2html_wrap_inline1770 程度, つまりいわゆる並列度が少ない状態を考える. このような場 合, このアルゴリズムが終了するまでの時間は, 必要な処理の量(割るプロセッ サ数)ではなく, クリティカルパス長, つまり, 全体として並列化していない (あるいはできない)部分の処理の長さで決まるようになる.

具体的には, 「 tex2html_wrap_inline1082 を求めるには, tex2html_wrap_inline1112 および tex2html_wrap_inline1114 が求まっ ていなくてはならない」という規則が, 絶対に同時には実行され得ない処理 (依存し合う処理)を生み出す. その長さは, いくらプロセッサ台数を増やして, 通信オーバーヘッドを零にしても, 縮めることはできない. これは, 比較的短 い文をたくさんのプロセッサで処理する状況( tex2html_wrap_inline1778 )を近似してい る. 実際, 文の長さが25程度で, プロセッサ数256台, などという時には以下 の考察が役に立つ.

再び, tex2html_wrap_inline1112tex2html_wrap_inline1114 を与えられて, そこからそれらを通信で取り寄せ て, tex2html_wrap_inline1092 を求めるまでにかかる時間を, 一定値Mとする. 今,

displaymath1756

とすると, tex2html_wrap_inline1092 を求めるのに, tex2html_wrap_inline1112tex2html_wrap_inline1114 が必要なことか ら,

displaymath1757

および,

displaymath1758

がわかる. ここから,

displaymath1759

がいえる. 特に,

displaymath1760

がいえる. ここから,

displaymath1761

がいえる. すなわち, tex2html_wrap_inline1794 が求まるまでに, (n-1)Mかかる. しかしこ れは, 逐次での計算量 tex2html_wrap_inline1798 に比べると, オーダーが tex2html_wrap_inline1800 さがっており, 使用しているプロセッサ数(1/2 N(N-1))を損なう値にはなっていない.



Mitsubishi Research Institute,Inc.
Thu Feb 27 10:02:38 JST 1997