3.3.4 (3).a節で見たように, 通信がそれほど頻繁に起こらない もしくは非常にレンテンシに耐性があるプログラムは スケジューリングの歪みに影響されない. プログラミング言語のコンパイラが自動的に レイテンシに耐性のあるコードを生成するか, 少なくとも レイテンシに耐性があるようなプログラミングスタイルを推奨する ことが可能かもしれない.
しかし, レイテンシへの耐性はメモリ要求の増化と スケジューリングオーバヘッドの増加の犠牲を払って達成される. 一般に, 受信プロセッサが局所ごみ集めを している時のためだけに, そうでなければ無用な並列性を つくり出さなければならないプログラミングスタイルを プログラマに強制することはよい考えとは言えない. 非常に予想しやすいレイテンシの下でレイテンシが隠蔽 されることを確認するために, プログラマはそれを過大見積り しなければならない. それは通常のケースでは過大な並列度と 局所記憶の効率の悪い使用を生むだろう.