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衝撃波管の流れの解析

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                     図5.1: 衝撃波管のながれ(初期状態)

衝撃波管とは, 高圧気体の膨張時のピストン作用によって伝播する平面衝撃波 を管中のテスト気体に発生させる実験装置である. 図 5.1 に示すように, 同じ断面積の長い管を隔膜で仕切る. 仕切られたそれぞれの部屋は, 高圧の気体を封入した高圧室と低圧の気体を封入した低圧室とする. 非常に短い時間で隔膜が破かれると高圧側から低圧側に向かって衝撃波が発生する. また, 衝撃波に続いて高速気流が発生する. 実験装置に取り付けられた各測定部において衝撃波や高速気流の測定が行なわれる.

図 5.1 に示すように, 初期状態では, 隔膜により仕切られ圧力分布はステップ状になっている. この隔膜を時刻 T=0 において破る(取り除く). その後, ある短い時間が経過した時刻 tex2html_wrap_inline1148 における 一般的な過渡状態を圧力・温度について 図 5.2 に示す.

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                     図5.2: 衝撃波管のながれ

隔膜が破られた瞬間, 隔膜のあった場所から低圧側に向かって衝撃波が伝播し 高圧側に向かって膨張波が伝播する. 図 5.2 では, それぞれ C, Aで示している. 衝撃波の強さは, 衝撃波面の両側(衝撃波がこれから通るところとすでに通ったところ)の 圧力比により表される.

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また, 面の両側において, 一般的に温度・密度は異なるが圧力・流速は同じである面を接触面といい, 図 5.2 では, Bで示してある.

本節は, この過渡状態における圧力分布を解析的に求めるものである.



Mitsubishi Research Institute,Inc.
Mon Feb 24 13:38:59 JST 1997