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並列プロセッサ上の処理速度の比較実験
本節では並列プロセッサ上の処理速度の比較実験を行なう.
この実験は学習をしない同国人エージェント同士の会話モデルのプログラムを
用いて実験をする.
並列オブジェクト指向言語 ABCL/f による, 処理速度に大きく影響を与え
る特徴や, 本モデルにおける処理速度に大きく影響を与えるであろうプログラ
ムレベルでの特徴を以下に述べる.
- ABCL/fの特徴
-
- オブジェクトはプロセッサ依存であり, オブジェクトを定義する際, オ
ブジェクトを置くプロセッサを指定する必要がある.
- オブジェクトのメソッドは, オブジェクトが置いてあるプロセッサで処
理される.
- モデルの特徴
-
- TAGルールにおける木構造の各ノードはオブジェクトとして定義した.
これにより, 代入や接合といった操作は関数の副作用として表現が可能
である.
- 通信コストを考慮し, エージェントが所有するオブジェクトは, そのエー
ジェントが定義されているのと同じプロセッサに全て定義した.
これにより, TAG
ルールの木の探索によってかかる通信コストは, 指定したプロセッ
サがバラバラであるときと比べて格段に減る.
実験環境は
表5.2
に示す通りである.
また,
表5.3
に示すようなパラメータ指定のもとで行なった.
パラメータはエージェント数ごとに会話数をそろえるべきであるのだが, 計算
機の能力等の関係で, 多少不揃いとなった. ちなみに, プロセッサ数64とは並列
プロセッサ AP1000 の最大プロセッサ数である.
エージェントの持つ文法は
図5.14
に示すような英語文法
である. 各エージェントはこ
の文法セットを共通に持っている.
Mitsubishi Research Institute,Inc.
Mon Feb 24 19:32:21 JST 1997